色見本の出力に関して

*色見本にはDCP3

雑誌の仕事では、必ずしも要求されるものではないが、
コマーシャル仕事の場合、
絶対に求められるのが、「色見本」である。

ところで、色見本とはなんぞや??

印刷所が撮影者の意図通りに、印刷を再現するための指針となる見本出力紙である。

デジタルデータは、モニターの調整が正確になされていてもなお、誤差は出る。
モニター同士を揃えていても、なおである。

ビジュアル系の仕事をしている者であれば、モニターの調整もしているし、
プリンターのプロファイル調整もしっかりやっている。

それでも誤差が出るとなったら、
頼りになるペーパーを使用して、色見本を出力しなければ
こちらの意図は伝えることができないのである。

そこで登場するのが、このピクトリコのDCP3だ。
この用紙、たかだか140μmという薄さにも関わらず、
単価はちょっと高い。
この厚みで、A4一枚あたり60円を超えるのは許し難い値段だ。
しかし、その再現性の正確さはピカイチである。
モニター上の画像がそのまま、ドンピシャで再現されるんだから驚きである。
ただし、ほんとにペニャペニャのうっすい紙なので、
作品として出力すると腹がたつ。

参考までに・・・
おいらが写真展用に額装する場合の出力紙は、ピクトリコプロ・ホワイトフィルム。

これまた完璧な出力が可能だが、ちょっと薄めなので、裏打ちシートは必須である。
そこがちょっと面倒なところかな。
A4一枚あたり250円。
決して安くはないが、A3なら一枚500円。
これなら、ラボにプリントを外注したと思えば、相当に安い計算になる。
このペーパーを使ったことがない人で、きれいなプリントを求めるなら、
一度、試用をお薦めする。


ところで・・・
意外にも知られていないのが、
インクジェットペーパーとプリンターの関係である。
ご存知のように、ペーパーは無数のメーカーが出しているし、種類もさまざまである。
それらの性質が異なるペーパーに対して、いつでも同じコマンドをして、
同様の結果を求めるのはムシが良すぎる。
各ペーパーごとにICCプロファイルというものが用意されているのだから、
そのICCプロファイルを各メーカーのサイトからダウンロードして、PCに保存。
プリント時にそのICCプロファイルを指定して、印刷ボタンを押してやらなきゃ、正しい色再現ができるはずがない。

プリントのICCプロファイルについてピクトリコでは、以下のように説明している。
ICCプロファイル」とは、出力デバイスであるプリンタのデジタルデータの色を、標準化カラーマネジメントシステムに準拠した色情報で記述したファイルです。入力/出力デバイス間の色の違いを軽減し、できるだけ「データ通りの正しい色」をプリントするためのものです。Photoshopなどのアプリケーションと併せてお使いください。

簡単に言ってしまえば、
「取り扱い指示書」である。
「僕を使って印刷するなら、この指示書にしたがって印刷してね」という
ペーパーからのメッセージだ。
これを無視して、印刷したら、ペーパー様も許すまい!

せっかく綺麗な写真を撮ったんだからさ、
モニターの上で見てるだけじゃなくて、
出力して見てみようよ。
ちゃんと撮れているデータなら、驚くよ、その綺麗さに。

そういうおいらは、
今も、せっせこ、DCP3で、出力中である。


おっと・・・
言い忘れた。
データから出力する場合、直前にシャープかシャープ(強)をかけて、プリントしたほうが結果は良好だ。
でも、そのあと、シャープをかけたまま再保存してしまうと、印刷データとして不向きになっちゃうから、再保存しないことを忘れないように!